本文へスキップ

電話でのお問い合わせはTEL.03-3581-3336

〒100-0014 東京都千代田区永田町2-4-3

特 集

林建協働への期待

特集写真     東京大学森林利用学研究室 教授 酒井 秀夫 

 建設業と林業事業体がお互い助け合う林建協働が動き出しています。岐阜県では、林建協働による山村地域再生の取り組みが進められています。国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」では、里山や森林の再生、間伐材の活用、地域材の需要拡大と安定供給など、幅広い活動が取り組まれています。
 森林・林業再生プランの自給率達成にむけて、林業従事者の絶対数が足りません。林業を産業として成り立たせ、労働力を引きつけていくには、路網整備と機械化のイノベーション、サプライチェーンの構築による林業のビジネス化が不可欠です。
 林建協働は、建設業と林業事業体が事業を棲み分けながら、双方の得意分野を活かして相乗効果を発揮し、まずはお互いの事業量確保に向けて協働することが重要です。例えば、森林組合が施業団地のとりまとめをし、建設業と素材生産業者が道づくりと集材を担います。林建協働を活用することで、雇用安定、定住、地域再生へと結びついていきます。森林経営計画も樹立遂行されることになります。
 林建協働が林業・木材産業のサプライチェーンにおいて、どこの部分にかかわるのかを押さえた上で、建設業のネットワークを活かして、路網整備と作業システム構築、境界確定、測量設計業務、工事の施工管理、工法開発、集落や公共施設の給湯配管などの木質バイオマス関連事業、流通コストの節減など、建設業の技術導入と人材の活用促進が期待されます。
 しかし、林業では、労働者1,000人あたり1年間に発生する死傷者数を示す年千人率が平成20年で29.9と、全産業の中で突出して最も高い割合となっています。労働災害0を目指して、建設業が培ってきた労働安全衛生管理活動を活かしていただければと思います。
 
事務局注釈:イノベーション(技術革新、刷新)/サプライチェーン(製品供給のための一連の諸活動)

(一社)全国森林土木建設業協会全森建

  〒100-0014
   東京都千代田区永田町2-4-3
          永田町ビル4F
      TEL 03-3581-3336
      FAX 03-3581-3341